top of page

このページでは、自閉スペクトラム症(ASD)について説明していきます。

 

2013年にアメリカ精神医学会による診断基準であるDSM-5の改訂があり、

古典的な自閉症やアスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害などもこの

 

自閉スペクトラム症(ASD)に統合されました。

 

 

 

 


ASDは、数多くの遺伝的要因が複雑に関わることで起こると言われている、生来からの脳の機能的障害のことです。胎内環境や周産期のトラブルなども関係していると言われていますが、原因の特定には至っておりません。

 

 

およそ約100人に1人の頻度と言われ、男性に多いと言われています。

 

 

 

昨今は「大人の発達障害」として注目されている部分もありますが、それは

現在の高度で複雑なコミュニケーションを要求される社会的な状況を背景に、

今まで性格の問題などと誤解され支援の対象とされなかった方たちが取り上げられたことも影響していると考えられます。

 

 

ASDは主に、

 

対人関係での困難さ(人と人との距離感が掴みづらいため。)

 

 

限定的なコミュニケーション能力(場の空気感を読むのが苦手なため。)

 

 

パターン化された興味や活動(想像力を働かせるのが苦手なため。)

 

 

という大きく分類すると3つの特徴を持ちます。

 

 

 

ただし、ASDの状態は個々によって様々であり、年齢や知的な発達の遅れの有無などによってもさらに変わってきます。

 

 

ASDは半数以上が知的障害を合併していると言われ、症状がより重い方は合併が多くなる傾向があります。

その他は知的な遅れがなく、高機能自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれている方々です。

ADHDや学習障害(LD)、てんかんも合併しやすいと言われています。

 

 

幼少期には

 

「視線が合わない」

「一人遊びが多く、他の子に関心がない」

「言葉の発達が遅れている」

「人の真似や、指さしをしない」

「表情変化に乏しい」

「落ち着きがない」

「かんしゃくが強い」

 

などがよくみられます。

 

 

 

 

学業成績が良い場合も多いですが、人との会話が苦手であり、コミュニケーション能力の部分を他人から指摘されるというケースを数多く見受けられます。

 

 

現在の医学ではASDに対する根本的な治療は確立されていないのが現状です。

しかし、感情のコントロールや拘りの部分などに関しては、対症療法としての内服薬により軽減する場合があります。(SSRIや抗精神病薬など)

 

状態が個々で非常に様々なため、正しく状態を理解し、焦らず個々のペースやニーズに則り療育していくという対応が重要である。

当院ではこのような特徴を理解し、環境調整をはじめとした心理社会的治療や情動面に対する薬物療法などを組み合わせ診療を行なっております。どうぞお気軽にご相談ください。

bottom of page