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このページでは、気分障害(うつ病・躁うつ病)について説明していきます。
気分の波は多かれ少なかれ誰にでもあるものですが、正常な気分の変動の範囲内で動くはずが気分障害ではその範囲を逸脱してしまい、日常生活に様々な支障を来してしまいます。
うつ病は一般的にイメージがつきやすいと思いますので、ざっと説明します。精神面・身体面に様々な症状が出現しますが、一般的には
抑うつ気分、興味・喜びの喪失、不眠や過眠、悲観的思考、不安、焦燥、食欲低下、イライラ感、集中困難、精神運動抑制、倦怠感、易疲労感、無価値観・罪業感
などが出現し、生活上の様々な場面で本来のパフォーマンスが発揮できない状態となります。
双極性障害は世間的には「躁うつ病」などとも呼ばれているもので、およそ100人に1人の割合と言われています。
うつ病相、躁病相を繰り返すのが特徴ですが、躁状態では
自尊心の肥大、または誇大、睡眠欲求の減少、多弁、観念奔逸、注意散漫、精神運動焦燥、目標指向性の活動の増加、困った結果になる可能性が高い活動への熱中(過度な衝動買いや浪費、性的無分別な行動、馬鹿げた事業への投資など)
などが出現し、
本人にとっては高揚感や万能感で気分が満ちあふれている状態となります。
睡眠も十分に取らず行動し、無謀な事業や投資に走る場合やギャンブル、飲酒、買い物など豪遊に走る場合もあります。
また情動のコントロールが出来ずイライラし周囲に当たり散らすることもあるため、
人間関係の破綻や金銭的な破綻を大きく来してしまうことがあります。
慢性的な経過をたどることが多く、再燃・再発率も比較的高いことが知られています。
また背景にパーソナリティ障害や発達障害などを合併する場合も少なくありません。
統合失調症もそうですが、双極性障害に関しても再燃・再発を防ぐため治療の継続が重要と言われています。
うつ病に比べて自傷行為や自殺率も圧倒的に高いのが特徴でもあります。
遺伝的な要素に加え、ストレスや生活リズムの乱れなどが重なることで発症しやすくなるともいわれています。
双極性障害では躁状態の期間よりうつ状態の期間のほうが長く、また躁状態の時は自覚がないことが多いため、うつ状態のときに受診を考える方が多いです。
自覚が少ないことから問診などで判別しにくく、うつ病との区別が難しいことから
うつ病として治療を開始されることも多いです。(ただ、双極性障害のうつ状態では抗うつ薬が効きにくいと言われています。)
気分障害(双極性障害:躁うつ病、うつ病)
ICD10:F3
神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリンが関与していると言われています。
うつ症状と躁症状は正反対の立場にあります。(気分、意欲、思考など)
①双極性障害:躁うつ病
Ⅰ型→重度の躁状態、精神病症状
Ⅱ型→軽度の躁状態
ラピッドサイクラー→躁状態とうつ状態を短期間で繰り返す
(薬物療法)気分安定薬、抗精神病薬
②うつ病
重症のうつ病では妄想が出現することや、反応に乏しくなる昏迷状態という状態になることもあります。
(薬物療法)抗うつ薬、抗精神病薬
最近では新しい薬剤も開発されており、より再燃・再発を防ぐための続けやすい治療の普及が望まれております。
当院では症状の改善だけでなく、元々の本人の生活水準まで社会復帰できるよう、薬物療法・非薬物療法による診療を行なっております。どうぞお気軽にご相談ください。